観音経 その6
  
  妙法蓮華経觀世音菩薩普門品第二十五
  (みょうほうれげきょうかんぜおんぼさつふもんぼんだいにじゅうご)

  無盡意菩薩(むじんにぼさ)
  白佛言(びゃくぶつごん)
  世尊(せそん)
  觀世音菩薩(かんぜおんぼさ)
  云何遊此娑婆世界(うんがゆうししゃばせかい)
  云何而為衆生説法(うんがにいしゅじょうせっぽう)
  方便之力(ほうべんしりき)
  其事云何(ごじうんが)
  佛告無盡意菩薩(ぶつごうむじんにぼさ)
  善男子(ぜんなんし)
  若有國土衆生(にゃくうこくどしゅじょう)
  應以佛身得度者(おういぶつしんとくどしゃ)
  觀世音菩薩(かんぜおんぼさ)
  即現佛身而為説法(そくげんぶつしんにいせっぽう)
  應以辟支佛身得度者(おういびゃくしぶつしんとくどしゃ)
  即現辟支佛身而為説法(そくげんびゃくしぶつしんにいせっぽう)
  應以聲聞身得度者(おういしょうもんしんとくどしゃ)
  即現聲聞身而為説法(そくげんしょうもんしんにいせっぽう)
  應以梵王身得度者(おういぼんのうしんとくどしゃ)
  即現聲聞身而為説法(そくげんぼんのうしんにいせっぽう)
  應以帝釋身得度者(おういたいしゃくしんとくどしゃ)
  即現帝釋身而為説法(そくげんたいしゃくしんにいせっぽう)
  應以自在天身得度者(おういじざいてんしんとくどしゃ)
  即現自在天身而為説法(おういじざいてんしんにいせっぽう)
  應以大自在天身得度者(おういだいじざいてんしんとくどしゃ)
  即現大自在天身而為説法(おういだいじざいてんしんにいせっぽう)
  應以天大将軍身得度者(おういてんだいしょうぐんしんとくどしゃ)
  即現天大将軍身而為説法(おういてんだいしょうぐんしんにいせっぽう)


  (和訳)

  無尽意菩薩、仏に白して言さく。
  世尊よ観世音菩薩は云何して此の娑婆世界に遊び、
  云何衆生の為に説法したもうや、方便の力、その事云何。
  仏、無尽意菩薩に告げたまわく。
  善男子よ、若し国土の衆生有りて、
  応に仏身を以って得度すべき者には、
  観世音菩薩即ち仏身を現じて、
  而も為に法を説きたもう。
  応に辟支仏の身を以って得度すべきものには、
  即ち辟支仏の身を現じて、而も為に法を説きたもう。
  応に声聞の身を以って得度すべきものには、
  即ち声聞の身を現じて、而も為に法を説きたもう。
  応に辟支仏の身を以って得度すべきものには、
  即ち辟支仏の身を現じて、而も為に法を説きたもう。
  応に梵王の身を以って得度すべきものには、
  即ち梵王の身を現じて、而も為に法を説きたもう。
  応に帝釈の身を以って得度すべきものには、
  即ち帝釈の身を現じて、而も為に法を説きたもう。
  応に大自在天の身を以って得度すべきものには、
  即ちの大自在天の身を現じて、而も為に法を説きたもう。
  応に天大将軍の身を以って得度すべきものには、
  即ち天大将軍の身を現じて、而も為に法を説きたもう。



  (解説)

   この辺から、大スペクタクルが展開します。
   観音さまの三十三身
   7変化どころの騒ぎではありません。
   その6では
   仏、辟支仏、声聞、梵王、帝釈、自在天、大自在天、天大将軍
   これらに変化し、それぞれにあった
   説法をしてくださるそうです。
 
   仏はわかるとして以下を説明します。

   辟支仏・・・独覚または縁覚のことです。
          ようするに宗教的天才で、誰から教わるわけでもなく
          「十二因縁」の理を理解し、涅槃にいかれた仏です。

   声聞・・・・・仏の説法を聞いて悟りを開く人たちです。
          「四諦」を理解し、迷いをたつ「八正道」を実践します。
 
   梵王・・・・・サンスクリットで「マハーブラフマン」
          「梵我一如」(ぼんがいちにょ)
          が究極の理想とする古代インドでは
          ブラフマンは究極の宇宙の真理です。
          つまり最高神なのですが、仏教では
          「有頂天」が最上位
          梵王がすむ「初禅天」はまだ遠いのです。

   帝釈・・・・・これは帝釈天のことです。
          詳しくはこちらをご覧ください。

   自在天・・・他化自在天の王です。
          
   大自在天・摩境醯首羅(まけいしゅら)
          色界十八天の魔王です。
          インドのシバ神のことです。
          自在天・大自在天は混同されます。

   天大将軍・・那羅延天(ならえんてん)
           金剛力士と同一視されます。



  (現代語訳)

   無尽意菩薩はお釈迦さまに聞きました。
   「お釈迦さま、観音さまはどのようにして
   この娑婆にあらわれ、どのようにして
   このわれわれの為に説法してくださるんでしょうか?
   その為の力はどのようなものでしょうか?」

   お釈迦さまは無尽意菩薩に告げました。
   「まじめな無尽意よ、
   この世界にはいろんな人々がいるが
   仏の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに仏の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「辟支仏の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに辟支仏の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「声聞の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに声聞の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「梵王の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに梵王の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「帝釈の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに帝釈の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「自在天の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに自在天の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「大自在天の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに大自在天の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

   「天大将軍の姿で得度すべきものには
   観音さまはすぐに天大将軍の姿であらわれ
   説法してくれるんじゃ。」

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