観音経 その9
  
  妙法蓮華経觀世音菩薩普門品第二十五
  (みょうほうれげきょうかんぜおんぼさつふもんぼんだいにじゅうご)

  無盡意菩薩(むじんにぼさ)
  白佛言(びゃくぶつごん)
  世尊(せそん)
  我今當供養觀世音菩薩(がこんとうくようかんぜおんぼさつ)
  即解頸衆寳珠瓔珞價直百千兩金(そくげきょうしゅうほうしゅようらくげ
                        じきひゃくせんりょうごん)
  而以與之(にいよし)
  作是言(さくぜごん)
  仁者(にんじゃ)
  受此法施珍寳瓔珞(じゅしほっせちんぽうようらく)
  時觀世音菩薩(じかんぜおんぼさ)
  不肯受之(ふこうじゅし)
  無盡意(むじんに)
  復白觀世音菩薩言(ぶびゃくかんぜおんぼさごん)
  仁者(じんしゃ)
  愍我等故(みんがとうこ)
  受此瓔珞(じゅしようらく)
  爾時(にじ)
  佛告觀世音菩薩(ぶつごうかんぜおんぼさ)
  當愍此無盡意菩薩(とうみんしむじんにぼさ)
  及四衆(ぎゅうししゅう)
  天(てん)
  龍(りゅう)
  夜叉(やしゃ)
  乾闥婆(けんだつば)
  阿脩羅(あしゅら)
  迦褸羅(かるら)
  緊那羅摩ご羅伽(きんならまごらか)
  人非人等故(にんぴにんとうこ)
  受是瓔珞(じゅぜようらく)
  即時觀世音菩薩(そくじかんぜおんぼさ)
  愍諸四衆(みんしょししゅう)
  及於天(ぎゅうおてん)
  龍(りゅう)
  人非人等(にんぴにんとう)
  受其瓔珞(じゅごようらく)
  分作二分(ぶんさにぶん)
  一分釋迦牟尼仏(いちぶんしゃかむにぶつ)
  一分奉多寳佛塔(いちぶんたほうぶっとう)
  無盡意(むじんに)
  觀世音菩薩(かんぜおんぼさ)
  有如是自在神力(うにょぜじざいじんりき)
  遊於娑婆世界(ゆうおしゃばせかい)


  (和訳)

  無尽意菩薩、仏に白して言さく、世尊
  我れ今まさに観世音菩薩を供養したてまつるべし。
  即ち頸の衆の宝珠、瓔珞のあたい百千両金なるを解きて、
  而して以って之を与えて、この言を作さく。
  仁者よ、この法施の珍宝瓔珞を受けたまえと。
  時に観世音菩薩、あえて之を受けたまわず。
  無尽意、また観世音菩薩に白して言さく。
  仁者、我等を愍むが故に、
  この瓔珞を受けたまえと。
  その時仏、観世音菩薩に告げたまわく、
  まさに此の無尽意菩薩、及び四衆、
  天、龍、夜叉、乾闥婆、阿脩羅、迦褸羅、緊那羅、摩ご羅伽
  人非人等を愍むが故に是の瓔珞を受けるべし。
  即時に観世音菩薩は、諸々の四衆及び、
  天、龍、人非人等を愍んで、其の瓔珞を受け、
  分って二分となし、一分を釈迦牟尼仏に奉り、
  一分を多宝仏塔に奉りたまえり。
  無尽意よ
  観世音菩薩は、是の如き自在神力あって、
  娑婆世界に遊びたもう。



  (解説)

   無尽意菩薩さんは
   お金持ちなのでしょう。
   首に何千万円もするネックレスをかけていました。
   それを観音さまにお布施しようとします。
   ところがどっこい
   観音さまはこれを受け取りませんでした。
   ふたたび無尽意菩薩さんが
   そこをなんとかとお願いすると、
   受け取り、半分にして
   一つをお釈迦さんに、
   もう一つを多宝仏塔に奉納したのです。
   わたしはここであれっと思います。
   おいおいお釈迦さん受け取るのかい?と

   このお経の主役は観音さまですので
   ここはひとつ観音さまに華をもたせたのでしょう。
   お釈迦さんだって人間ですから
   教団の維持には資金が必要だったのでしょう。
   だいたいこのお経を説いているのが
   お釈迦さんですから
   お釈迦さんにお布施が渡るといえば
   もっともな話です。

   観音さまの話は以下は
   偈(げ)の部分にうつります。
   別名「観音経偈」と呼ばれます。




  (現代語訳)

   無尽意菩薩がお釈迦さんに
   「世尊、私は今こそ
   観音さまを供養いたします。」

   その首にかけた、すごい価値の
   宝石つきのネックレス、瓔珞をはずして
   これを観音さまに渡していいました。

   「すばらしい方よ。
   このお布施の大変めずらしい瓔珞を
   お受けとりくださいませ。」

   ところが観音さまは
   あえてこれを受け取りません。

   無尽意は観音さまにいいました。
   「すばらしい方よ。
   わたしたちを憐れむと思って
   ぜひこの瓔珞をお受け取下さい。」

   お釈迦さんも観音さまに
   「まあまあ、この無尽意菩薩はじめ
   輪廻に苦しむ衆生を憐れんで
   この瓔珞を受けとってくれ。」と

   その言葉を受け
   観音さまは輪廻に苦しむすべての
   衆生の憐れみを心に
   その瓔珞を受け取りました。
   それで瓔珞を二つに分けて、
   一つをお釈迦さまに、
   もう一つを多宝塔に奉じたのです。

   「無尽意菩薩よ、
   観世音菩薩、観音さまは
   なにごとも一切思い悩まず、
   すべてがうまく行く。
   そんな特別な力をもっている。
   だから、この世で
   輪廻を断ち切らずに
   幼子が遊ぶように
   皆を救ってくれるんじゃ。」

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