出棺の挨拶は、喪主さまが一番悩むところでしょう。
私はいつも文例をお渡ししますが
「これをそのまま読む事は
非常にかっこ悪いとおもいます。」
とお客様にお伝えします。
私が聞いた挨拶のなかで
一番短い物は
「ありがとうございました。」の一言だけです。
これでいいんです。
万感がその一言にこもっていれば。
あくまで文例として以下をご紹介します。
「本日は、遠路ご多忙中のところ、ご会葬
ご焼香をたまわりまして誠にありがとうございます。
故人在命中は、皆様方にひとかたならぬご厚情を賜りまして
心からお礼申し上げます。
本日も多数の皆様方にお見送りいただき、
故人も本当に喜んでいると思います。
<エピソード>ここは変わります。
故人は戦時中の生まれで、倹約、誠実、弱音をはかない
を常に心がけていきてまいりました。
金子株式会社の社員として40年務め上げたあとは
余生を趣味の囲碁や、母との旅行など
まさに悠々自適に過ごして参りました。
昨年8月の健康診断で、右肺に癌が発見され
本人も必ず根治させると
頑張っていましたが
8月31日帰らぬ人となりました。
まさに倹約、誠実
弱音などはかないという父は、闘病生活を通して
生き様のようなものを我々に伝えていたのではと思います。
遺された私達一同は、若輩者ではありますが、
これから故人の意志に沿うよう努めていく所存でございます。
皆様方には、故人生前同様のおつきあい
ご指導を賜りますようお願い申しあげます。
簡単ではございますが、これをもちまして
お礼にかえさせていただきます。
本日は、誠にありがとうございました。
ポイントはあくまで自分の言葉で
故人の在命中のお礼とこれからの変わらぬお付き合い
をお願いすることです。
間違えたって、ことばにつまったって
上手な挨拶でなくとも
相手に気持ちが伝わればいいとおもいます。