旅支度は普通ご納棺の前にします。
皆さんの手で、故人の支度を整えあの世へ送るわけです。
(当然浄土真宗は旅支度をしません)
ここではなんと昔の方が旅に出られた姿を故人にしていただきます。
それがいやな方もたくさんいらっしゃいます。
いまは、スーツにネクタイ・アタッシュケース・パスポート・クレジットカード
などをお持ちになるでしょう。それでもいいと思います。
旅支度は大事な儀式です。
現代版のお支度でもかまいませんから
故人に近い親戚の皆さんはなるべく参列される事をお勧めします。
この儀式の意味は当然故人の無事を祈る遺族の想いです。
一般的な旅支度は以下の様な手順によります。
衣装全体は真っ白です。
白には「清らかで魔よけ」のイメージがあります。
昔は喪服は「真っ白」だったといいます。
ご主人がなくなったとき「真っ白」な喪服をつくり
ご自分の時に「死装束」としてつかったといいます。
- 1.故人にまず足袋を履かせます。
-
足袋には長い紐がついています。
紐は後ろで交差して結べるよう手前にもってきます。
結び方は立て結び(こちらも普段あまりしません
逆さごとに分類されるでしょう)
で、ほどけないようしっかり結びます。
- 2脚絆(きゃはん)(すねあて)・手甲(てこう)をつけます
- 上記の要領で、すねに脚絆・手に手甲をつけます。弱いところをガードする感じです。
- 3.頭陀袋(ずだぶくろ)にはいった六文銭を故人にもたせます
-
三途の川の渡し賃だという説があります。
よく穴の開いた硬貨をいれるといわれますが
火葬場で金属は火葬炉をいため故障の原因になります。
よって弊社の場合、袋には印刷された偽物がはいっています。
(財布にお金が入ってないと不安なひとだった
と1万円札をいれる方もいらっしゃいました。)
- 4.数珠(じゅず)を合掌している両手の上に乗せます。
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生前お使いいただいていた数珠があればお使いください。
数珠にはもっているだけで功徳があるという意味があります。
- 5.ご納棺する場合はここでお柩に移させていただきます
-
納棺には皆様の手をお借りします。男性陣で故人をお持ちし、
女性はお柩のところで待ち、手を添えます。
納棺が済みましたら弊社でドライアイスを故人にあてます。
- 6.白装束(しろしょうぞく)を故人に着せます
-
着物の背中側を上にして故人に掛ける形になります。
袖のところを整えかっこよくしてあげてください。
帯は真ん中で一度むすび
腰のところ布団の両側に差し込みます。
- 7.編み笠に天冠(てんかん)をいれ頭の上に差し込みます
-
三角巾のようなものを天冠といいます。
昔は額につけたものですが
漫画のおばけのような感じになりますので今は
編み笠にいれます。
- 8.草履(わらじ)を足元に入れ利き腕に杖をもたせます。
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よく生前つかっていた杖を入れられないかと聞かれます。
ただ最近の杖は金属製が多いので、その場合入れることが
できません。
- 9.最後に布団を故人にかぶせます
- 最期の布団ですからできるだけ皆さんの手で
かけてあげてください。
- 10.お柩にいれて差し上げたいものをお入れ下さい(副葬品)
- 金属・陶器・果物・・・燃えないもの・破裂しそうなものは
いれられません。それ以外でしたらなにをいれていただいてもかまいません。
メガネはできれば火葬場で骨壷にいれます。
必ずいれなければいけないということではないので、形見として残されたいものは
残してよくお考えいただきお入れ下さい。
- 11.以上で仮に柩の蓋を閉じます。
副葬品がありましたら告別式の日まで大丈夫ですから
ゆっくり選んでください。
以上ながながとお読みになった方
お疲れさまでした。後少しだけあります。
お柩のグレードについて
お客様に柩を選んでいただく際
わたしは以下のようにお話します。
「2通りの考え方があります。
1つはどうせ燃えてしまうものだから一番安い物で十分です。
もう1つは最後の住まいだから少しだけ立派にしましょう。
どちらかはお客様の価値観です。」
あの世でグレードがあるとは私には思えません。
この世の最期にこんな選択がまっているとは故人様も
思わないでしょう。
ただ我々はサービス業である以上
様々なグレードのものをお客様に提示しなければなりません。
また立派なお柩を選らんでいただければ
当然利益の幅はおおきくなりますが
選らんで頂くのはお客様ですから
値段による質の違いだけは説明します。