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葬儀の心得・葬塔婆について

卒塔婆

お寺の墓地などに小さい頃いくと 古いものがお墓にぽんぽんと 置いてあり、幼心にこれはとっても恐ろしいもんだと おもってました。

塔婆は本来「卒塔婆」といいます。 「卒塔婆」はサンスクリット語の「ストゥーパ」が元になっています。 (バーリ語では「トゥ-パ」) お釈迦様は80才で亡くなりました。 その後火葬され、遺骨はお釈迦様に縁のある 8つの部族に分配されました。 それぞれの部族は、郷里にもちかえり 遺骨を納める仏塔を建てました。 これが「ストゥーパ」です。 後に仏教の熱烈な信者になる 「アーショカ王」によりさらに分骨がすすみ 8万4千のストゥーパに安置されたといいます。 本来の仏教では、遺骨はそんなに大事にされません。 (輪廻転生するからです。) お釈迦様はやはり特別だったのでしょう。


ビプラーワーのストゥーパから骨壷がでてきました。(1898年) その骨壷には「これはシャカ族の仏・世尊の龕(ずし)であって ・・・」と記されていたそうです。 仏塔はもともとお碗がひっくり返った形でしたが 人間の常として、だんだんと見た目の豪華さ 高さを競うようになります。 その頃は高僧の遺骨も 仏塔に収められるようになっていきます。 インド、中国、日本と伝えられる頃には だいぶ形もかわってきたのです。

日本の「五重の塔」も元をただせば ストゥーパなのです。 「五輪塔」ももとをただせばストゥーパです。 「五輪塔」はその全体で五大をあらわしています。 五大は様々なものの構成要素で 密教の考えでは大日如来ですら 五大で構成されているとします。 「空」、「風」、「火」、「水」、「地」がエレメントです。 われわれも当然この要素によって いかされていると考えます。 「卒塔婆」もよくよくみてみると、 その上部で「五大」をあらわしています。 部分に対応する梵字が墨で書かれています。

じゃこれはなんでお墓にぽんぽん置いてあるか? ストゥーパを建てるといのは仏教にとって 大変功徳がありました。 しかし、「五重の塔」、「五輪塔」だって そう簡単にはたてられません。 室町~江戸時代初期はお墓の目印として 木でつくられた「卒塔婆」が建てられるようになりました。 実力者は石の「卒塔婆」「五輪塔」を建てたのです。 つまり、昔の日本人にとっては 「卒塔婆」はお墓の事だったようです。

江戸時代中期以降、石の墓石が定着すると 木の「卒塔婆」はもっぱら故人の供養のため 建てられるようになりました。 墓石は○○家の墓と銘記され 先祖代々の供養の象徴となり 木の「卒塔婆」はそれぞれ故人の戒名が銘記され その方本人の供養のため 法事ごとに建てられるようになったのです。 もちろん、追善供養を否定する 浄土真宗には塔婆はありません。 ですから、真宗のお寺さんのお墓には塔婆は 一本も建っていません。